
令和5年(2023年)12月9日(土)・10日(日)、第63回全国矯正展が行われましたが、日本法育学会では、12月10日(日)に全国矯正展見学会を行いました。
今回の全国矯正展は、東京国際フォーラムで行われました。会場が広いにもかかわらず、会場全体が見渡せるため、迷うことはないようです。また、会場の中央にステージが設けられて、度々催しが行われていたりしました。参加者の中には、網走監獄弁当や横浜刑務所パスタを昼食としていた者もいました。そのほか、法務省、警視庁、自衛隊の車両の展示があったりして、単なる刑務所作業品展示即売会にとどまらなず、いつまでも見ていることのできる矯正展になっていました。
法育との関連で興味深かった展示がいくつかありました。1つは、懲役刑と禁錮刑に代わって拘禁刑が創設されることに伴い刑務所でも準備が進められていることでした。つまり、拘禁刑の創設は、単に懲役刑と禁錮刑とが一本化されるだけでなく、刑務作業にとどまらない受刑者への幅広い対応が刑務所に求められるということです。
また、少年院100周年の展示で出院者のインタビュービデオが放映されていたことも、興味深い展示でした。インタビューされていた出院者は、入院前、自身が社会で必要とされていないと思っていたそうですが、少年院で自身の存在意義を教えられた結果、現在では出院者の支援をする仕事をしているとのことでした。
日本法育学会では、今後もこうした見学会などを通じて、社会を知る活動をしてまいります。

2023年3月18日(土)に、横浜税関見学会を行いました。
税関資料展示を通じ、税関の歴史、税関の仕事、横浜港、貿易、関税法、密輸問題などを勉強することが主な目的でしたが、当日は、税関庁舎の公開がされていましたので、先に税関庁舎を見学することにしました。
音楽隊の演奏を鑑賞したのち、貴賓室、マッカーサーも執務したという旧税関長室などを見学していきました。その途中で、普段は見ることのできない窓から「クイーンの塔」を見ることができました。
また、麻薬探知犬デモンストレーションを見ました。麻薬探知犬は、巻いたタオルを見つける訓練をしたのち、麻薬とタオルを箱に入れて訓練することで、麻薬の匂いを関連づけるようになるそうで、犬にとっては「遊んでもらえる」と思わせているそうです。
そして、今回の主目的である税関資料展示室を見学しました。
今年度は、税関150年という記念の年であることもあり、展示室は、歴史展示が強化されていました。特に、明治維新を研究する参加者は、開国、横浜港の開港、運上所から税関へといった展示や、江戸から明治にかけての条約や法令の展示に興味を示していました。今や有名な観光地である赤レンガ倉庫も、もとは保税倉庫だったのだそうです。
参加者が特に関心を持った展示は、偽ブランド品などの知的財産侵害品でした。本物と偽物が並べられた展示は、「どちらが本物か分からない」という声があがりました。「個人で使うのだからいい」わけではないのは当然ですが、偽物と気付かずに偽物を使っていた可能性があることに怖くなってしまった参加者もいました。
また、ワシントン条約にも関心が集まりました。参加者からは、「実家に鳥のはく製があるけど、よく調べて買わないといけない」という声もあがりました。
これまで、日本法育学会では、麻薬・覚せい剤事件や偽ブランド品販売事件の裁判傍聴をしたり、刑務所見学などを通じて麻薬・覚せい剤使用者の更生について学んだりしてきました。今回の税関見学で、国の出入口である港という、また別の側面からこれらの問題について見ることができたのは、大きな成果であったと思います。

2023年1月13日(金)に、千葉地裁にて裁判傍聴を行いました。理由は不明ですが、当日は、多くの裁判がありました。麻薬や覚せい剤の事件が多かったようですので、外国との往来が再び活発になった成田空港関連の事件が多いのでしょうか。それでも、コロナ禍が完全に明けたわけではありませんので、密を避けるため、参加者は各自興味のある裁判を傍聴することにしました。
ここでは、外国人技能実習生の窃盗事件について紹介します。事件自体は単純で、外国人技能実習生が、同じ国の同僚の技能実習生の財布を盗み、財布の中に入っていたキャッシュカードを使って、ATMで現金を引き出したというものです。
法廷通訳人を介して通訳がされながらの裁判でしたので、ゆっくりと、しかしわかりやすく裁判が進みました。被告人の技能実習生も、窃盗の事実自体を認めていましたので、新件の裁判でありながら、判決まで出ました。判決は執行猶予付きの懲役刑でした。
ある意味、外国社会をそのまま日本に持ち込んだ形の犯罪でしたので、「はたしてこれを日本で裁くことに意味があるのか」という疑問を持った参加者もいましたが、その一方で、「日本が外国人を技能実習生として受け入れているのだから、やはり日本が最後まで面倒を見るべきだ」という意見も参加者から出てきました。
以前にも外国人犯罪の裁判傍聴をしたことがありますが、たとえ事件自体が単純でも、その背景にある社会的な問題は深いことを実感させられました。
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