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          The Legal Mind Education Of Japan

2022年の活動報告report


「裁判傍聴 高齢者の犯罪にどうすべきか」


活動報告写真
 2022年10月28日(金)に、千葉地裁にて裁判傍聴を行いました。傍聴した事件は、高齢の被告人が、パチンコ店の喫煙所で起こした傷害事件でした。
 事件は次のとおりです。被告人は客としてパチンコ店に入り、パチンコ店の喫煙所にある電源にパソコンをつなぎ、ワンセグテレビ番組を見ていました。ところが被告人は、喫煙所に入ってきた別の客がうるさく喋っていることに怒り、顔などを殴るなどして、その客に傷害を負わせました。
 事件としては単純なもので、被告人も事実を認めており、証人尋問などもありませんでした。ただ、被告人には傷害の前科があり、執行猶予中でした。また、弁護人や検察官の「はい」か「いいえ」の返答を求める質問にまともに答えられず、あれやこれやの言い訳を繰り返すだけでした。
 裁判傍聴後、参加者からは、「傷害事件の執行猶予中に起こした傷害事件だから、実刑判決が出るだろう」、「執行猶予にしたらまた同じことを起こすだろう」、「でも、高齢だから実刑にしていいのか」、「何らかの医療的な措置はとれないのか」などの意見が出ました。
 今回の裁判傍聴を通じて、高齢化社会の問題の一端を垣間見ることができました。




「裁判傍聴 教育的裁判」


 2022年9月30日(金)に、千葉地裁にて裁判傍聴を行いました。傍聴事件は、覚せい剤事件、特定少年恐喝事件、出入国管理法違反事件、窃盗累犯事件の4件です。
 どの事件も、成育環境や友人関係の問題が見え隠れし、家族が必死に被告人を支えようとしている姿が印象的でした。
 何より驚いたのは、裁判長も検察官も被告人に対して、とても親身になって更生を促していることでした。特に、特定少年に対しては、裁判長が柔らかい言葉で丁寧に話かけることで、自分のこれまでの生活を反省する気持ちを引き出しました。累犯窃盗事件では、鬱病で窃盗を繰り返す娘を「見捨てない」と語ったやつれた母親と被告人に、検察官は身を乗り出して諭すように話しかけていました。
 これまで見てきた法曹が優越的立場で追い詰めるような裁判とは全く違う「教育的裁判」でした。見ている私たちも、被告人の様子から、これなら再犯しないだろうと執行猶予の意義を強く感じました。
 



「裁判傍聴 被告人の立場だったら」


活動報告写真
 2022年8月3日(水)に東京地方裁判所で裁判傍聴をいたしました。参加者は、中学生・教員・弁護士等、総勢約40名です。コロナ禍でも幸い座席数制限がなく全員が希望した法廷に入ることができ、席から乗り出して真剣にメモを取る中学生の姿が印象的でした。
 交通違反を繰り返し刑事裁判の法廷で裁かれることになった人、執行猶予中に万引きした人、アパートの上層階の生活音に耐えられず暴行してしまった人などが被告人で、傍聴終了後の確認会では、被告人の発言の矛盾に気づくだけでなく、なぜ被告人は罪を犯してしまったのか、自分がその立場だったらどうだろうかと被告人の状況を自己投影し、自らの行動を振り返っていました。
 「百聞は一見に如かず」裁判を見ることで、他者を通した論理的思考ができたことがお土産です。
 



「コロナ禍の全国矯正展」


活動報告写真  日本法育学会では、これまで、刑務所等でどのようなことが行われているかを知るために、刑務所見学会や矯正展見学会などを実施してまいりました。ところが、コロナ禍で残念ながら、全国矯正展をはじめとした矯正展(刑務所作業品展示即売会)がしばらく開催されませんでした。このところ感染状況が落ち着きを見せたため、3年ぶりに全国矯正展が開催されることになりましたので、刑務所等についての勉強をするべく、全国矯正展見学会を実施しました。
 入場に事前登録を必要としたり、会計はレジコーナーでまとめてしたりする等、感染症対策のために例年とはだいぶ様子の異なる全国矯正展でした。それでも、3年ぶりの開催ということもあり、刑務所作業品審査会の製品には来場者の興味をひくものが多数展示されていました。また、「マル獄」などの定番人気製品のほか、各刑務所の新作製品にも安くて品質のよいものが沢山あり、参加された会員の中には、ついつい買いすぎてしまったという方もおりました。
 刑務作業についての広報展示は、レジコーナーで会計を済ませたあとにありましたので、広報展示もゆっくり見ることができました。今回の全国矯正展のテーマは「社会に支えられ貢献する刑務作業~コロナ禍の中で~」ですが、コロナ禍で刑務作業の受注が激減した中、どのようにして刑務作業を社会に貢献していくべきかが課題になったそうです。そんな中、医療機関で医療用ガウンなどが不足していることから、全国の刑務所で医療用ガウンを縫製したとのことです。そして、医療関係者から感謝・激励されたことが、受刑者の社会復帰へのやりがいにつながったということだそうです。この広報展示をゆっくり見ることができたのは、今回の全国矯正展見学会の成果といえます。
活動報告写真
 なお、全国矯正展からの帰りの九段坂で、「そういえば、全国矯正展には何度か来ても、科学技術館自体見たことがない」などという話題になりました。全国矯正展の会場である科学技術館の周りには、様々な博物館等があります。そこで、一部の会員の方で、九段坂にある昭和館にも入ってみることにしました。ウクライナ問題などのこともあり、戦争と平和について考えさせられます。日本法育学会でも、こうした博物館等の見学会を設けるなどして、改めて平和のこと、歴史のことを考える機会をつくりたいと思います。
 



「裁判傍聴 盗撮と精神疾患」


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 新型コロナウイルスの変異株であるオミクロン株が猛威をふるったため、再び研究会ができなくなりましたが、感染状況が落ち着いてきましたので、活動を再開しました。
 今回は、千葉地方裁判所で裁判傍聴をしました。当日は、裁判員裁判のほか、覚せい剤使用事件、道路交通法違反事件、迷惑防止条例違反事件など、さまざまな裁判がありましたので、参加者が各自興味のある裁判の傍聴をして、密を避けました。
 ここでは、迷惑防止条例違反事件について紹介します。被告人は、運動公園の女子トイレに繰り返し侵入し、携帯電話で盗撮をしたため、建造物侵入と迷惑防止条例違反に問われました。被告人は、それらを認めています。
 被告人によれば、動機は、「高校時代に未練があった」とか、「風景を見るように、かわいい女子を見ていたい」といったことのようです。ただ、それだけであれば、女子を運動公園で眺めているだけで十分であり、盗撮する必要はないはずです。
 裁判で明らかになったこととして、被告人は、広汎性発達障害や注意欠如多動症(ADHD)という精神疾患を抱えており、それが盗撮という行動に結びついているようです。そして、被告人は現在、治療を受けるとともに、いくつかの障害者支援を受けているようです。
 薬物使用や常習窃盗などが精神疾患と関連していることはよく知られていますが、盗撮などと精神疾患とが関連することがあることを知ることができたのは、裁判傍聴をした成果といえます。
 



「裁判傍聴 偽ブランド品の犯罪と法廷通訳人」


活動報告写真
 コロナ禍で研究会ができずにいましたが、感染症対策をとりながら活動を再開することとしました。
 まずは、千葉地方裁判所で裁判傍聴をしました。道路交通法違反事件、迷惑防止条例違反事件、商標法違反事件と、参加者が各自興味のある裁判の傍聴をすることで、密を避けることにしました。
 ここでは、商標法違反事件について紹介します。外国人である被告人は、日本人の名前を名乗り、東京都内の貸倉庫で、偽ブランド腕時計のネット通信販売の準備をしていたという事件です。事件としては単純で、被告人も罪を認めていましたが、偽ブランド腕時計だけでなく偽ブランドかばんも販売準備をしていたため、後日訴因変更をして裁判が行われることになりました。
 なお、日本語が話せない被告人のために、法廷通訳人が通訳をしていましたが、何度か裁判傍聴をしたことがある方でも、実際に法廷通訳人の活躍を見るのは初めてだということだそうです。
 コロナ前の日本は、外国人留学生や技能実習生を増やしてきました。現在コロナ禍で外国人の入国が制限されていますが、その一方で、被告人のように、入国してから年数を経ているのに、日本社会に馴染めず犯罪に手を染める外国人がいることも事実です。外国人をどのように受け入れていくかは、コロナ前から続く日本の課題であるといえるでしょう。
 






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