令和6年(2024年)11月30日(土)、立石有作弁護士をお迎えし、秋の特別講演会「知れば知るほど裁判員裁判」を行いました。
以下、参加者の感想です。
よく耳にする「国民感覚を司法制度に反映させる」という制度発足の目的は、理解できるようなできないような感じがしていました。本日、具体的なお話をうかがって、国民の権利を守るための法廷手続きが国民感覚とのずれを生んでいることに気づきました。
裁判員制度導入から10年以上がたった現在、捜査・裁判手続きや法曹の意識が確実に変化していることがわかりました。改革の意義を感じた一方、見えてきた課題についてお話から、「裁く」側になった人間の心理には共通するものがあることや情報化社会の負の側面も強く感じ、改めて、権力を抑制し人権を守る法の重要性を感じました。
国民の人権を守るしくみを十分に機能させるには、それを運用する警察や法曹三者は勿論のこと、私たち一般国民も、公正さを求める気持ちと客観的・理性的に物事をみる力が必要です。
ご講演を通じて、本学会の社会的意義があることが再確認できました。
大変有意義な時間をありがとうございました。
第64回全国矯正展が令和6年(2024年)11月23日(土)・11月24日(日)に東京国際フォーラムで開催されましたが、日本法育学会では、11月23日(土)に、全国矯正展見学会を行いました。
会場に着いたとき、ちょうど、刑務所のアイドルとして知られるPaix2(ぺぺ)のコンサートが舞台で行われていました。参加者の中には、コンサートを聴いた者もおり、歌だけでなく、刑務所での活動をするようになった理由や、各地の刑務所の特徴、出身地の鳥取のことなど、他では聴けない話を聴いてきたそうです。
また、法務省や警視庁の車両を見入っていた学生もいました。こうした車両をじっくり見て触れる機会はなかなかありませんし、その他にも、刑務作業体験などもありましたので、刑務官や警察官などの貴重な職業体験になったようです。
加えて、参加者の中には、監獄和牛弁当や横浜刑務所パスタを昼食としていた者もいました。横浜刑務所は製麺で有名ですが、製麺方法の紹介パネルもありました。
そのほか、来年度施行される拘禁刑の紹介や、刑の執行段階等における被害者等の心情等の聴取・伝達制度の紹介などのパネルもありました。一部の参加者が関心を持ったことがらとして、刑務所等が災害時に避難所となるなど、被災者支援の一部を担っていることでした。一部の参加者は既に刑務所見学の際にこのことは知っていたのですが、見学会参加自体が初めての者にとっては意外に思われたようです。
日本法育学会では、今後もこうした見学会などを通じて、社会を知る活動をしてまいります。
日本法育学会は、2024年10月25日、千葉地方裁判所で裁判傍聴をしました。
当日は、裁判員裁判や、全国報道される有名事件の民事裁判もありましたが、参加者の中には裁判傍聴自体が初めてという学生もいましたので、裁判手続きを一通り見ることができる新件の簡単な刑事事件を2件傍聴しました。
1 過失運転致傷事件
被告人は、建材業を営み、建材を運搬する大型貨物自動車を運転していましたが、運転中に数秒間伝票を確認していたところ、見通しの良い交差点を赤信号に気付かないまま直進したために、交差点を右折した乗用車と衝突し、乗用車の運転手に全治1か月、同乗していた乗用車の運転手の子供に全治2週間の怪我を負わせました。
被告人は、見た感じ普通の人、というよりむしろ真面目に仕事に取り組む人のように見えました。納期や納品場所など、仕事の伝票を気にしていたところにそのことは表れていたと思います。
ただ、やはり大型貨物自動車という、時として人命を奪いかねないものを運転する場合には、運転に集中しなければなりません。事故の結果から見れば、被害者の「殺人未遂みたいなものですよね」という感情には、同情できるものがあります。
被告人は、事件内容については争っていません。また、今後運転できないことになれば、被告人自身の仕事が成り立たなくなってしまいます。
検察官の求刑は禁錮10月で、弁護人は執行猶予を求めています。来月予定される判決はどうなるでしょうか。
参加者の中には、「ながらスマホ」が癖になっている方がおり、交通事故に限らず危険は日常に潜んでいることを思い知らされた事件でした。
2 出入国管理及び難民認定法違反事件
被告人は、もともと留学生として日本に入国した者ですが、留学ビザが切れた後も、コロナ禍で本国に帰る直行便が飛んでいなかったこともあり、そのまま日本にとどまり、弁当盛り付けや、荷物仕分け、建物解体などの仕事をしていました。
事件としては極めて単純で、被告人も事実関係を争っておらず、反省していました。検察の求刑が懲役1年であるのに対し、弁護人は執行猶予を求めていましたが、数分の休憩時間ののち、懲役1年(うち未決勾留日数20日算入)、執行猶予3年の判決が出ました。
被告人は若かったので、参加した学生の中には、「大学にいる留学生と何が違うのか」と思った者もいました。被告人は、数ある国の中から日本を選んで留学をしたところ、コロナ禍のために帰れなくなったため、日本にとどまって、ビザ更新などもしなかったために、入管法違反になってしまいました。実際、大学にいる留学生とは有効なビザを持っているかどうかしか違いはなく、学生が感じた思いは全くそのとおりです。
なお、この裁判には法廷通訳人がついていました。参加者の中には、先日の全国研究大会の模擬裁判で裁判員役をした学生もいましたが、大会の模擬裁判で法廷通訳人というものを知った直後に実際の法廷通訳人の仕事を見ることができたことに、裁判傍聴の成果を感じたようです。
日本法育学会は、2024年9月18日、東京地方裁判所で裁判傍聴をしました。
東京地方裁判所は、夏休み明けということもあってか開廷件数が多く、83件。傍聴者が溢れていました。
そのうち4件を傍聴することができました。
1.危険運転致傷罪
被告人(50代の女性)が、酒を飲んで自動車を運転し、通行人にケガを負わせた初犯事件でした。
2.常習累犯窃盗罪(盗犯等防止法)
被告人(60代男性)が、刑務所出所後1ヶ月足らずでコンビニで万引きをして逮捕された事件です。2年の実刑判決。
3.窃盗罪
被告人(20代男性)は、特殊詐欺事件の「出し子」として銀行ATMから140万円を引き出し報酬を得ていました。防犯カメラ映像により逮捕された事件で、判決は来月です。
4.不同意性交等罪(刑法177条3項)
被告人(20~30代の男性)は、新宿歌舞伎町で被害者2人をラブホに連れて行き、14歳であると知りながら同意の上性交。衝立て越しに被害者が証言するも状況がやや不明でした。
いつも感じることですが、犯罪者は特別な顔や態度をしているわけではありません。道ですれ違う普通の人です。
自分も何かのきっかけで処罰行為に及んでしまう可能性があることを意識して生活したいですね。
傍聴は、いつでも誰でもできます。是非、裁判所にお出かけ下さい。
ご連絡いただけましたら、法育学会の弁護士はじめメンバーがご案内、解説いたします。
日本法育学会は、前日の明治大学博物館見学会に続き、令和6年(2024年)6月23日(日)に、初代最高裁判所長官三淵忠彦の別荘で、三淵嘉子ゆかりの地でもある小田原の三淵邸(甘柑荘)を見学しました。
三淵邸は簡素な家でしたが、朝ドラ放映中で、三淵嘉子に注目が集まっていましたので、多くの見学者が訪れていました。既に我々は明治大学博物館の特別展で三淵嘉子のことを勉強したところですが、こちらの三淵邸でも三淵嘉子についての展示がされていました。
また、三淵邸はもともと初代最高裁判所長官の三淵忠彦の別荘です。三淵忠彦についての展示やビデオの放映がありましたので、三淵嘉子だけでなく三淵忠彦について知ることができたのは、大きな成果だといえます。
なお、三淵邸は、建築関係では注目されている建物のようで、三淵邸の間取りや工法などに着目して見学している参加者もいました。
三淵邸近辺にはいくつか有名な邸宅跡がありますので、見学会当日は、三淵邸のほかにもいくつか見学をしてみました。
古稀庵(山縣有朋邸跡)は、現在、保険会社の社員寮となっていますが、庭園は日曜限定で開放されています。
古稀庵の庭園は、水が流れているそばを回遊して散策します。あたかも、渓流脇の山道を山登りしている気分になります。山縣有朋のことを知るキーワードは「水」ですが、そのことは次に見学した皆春荘で判明することになりました。
皆春荘(清浦奎吾邸跡)は、古稀庵から急な坂を登った先にありました。山縣有朋が譲り受けて、古稀庵の別邸となっていたそうです。
皆春荘では、ボランティアの方が、いろいろ説明してくださいました。古稀庵・皆春荘周辺は、山縣有朋の私設水道が整備されていたのですが、それは公設水道だと毒を盛られるかもしれないと、山縣有朋が考えたからと言われているようです。
現在、我々は何気なく公設の水道を利用していますが、近時、有機フッ素化合物(PFAS)が、地下水や河川に流れ出し、水道水にも混入するという問題を抱えています。一方で、水道施設の老朽化や、水資源の枯渇という問題もあります。水道インフラのあり方を考えさせられることになりました。
最後に、松永記念館を見学しました。松永記念館は、電力業界で活躍した実業家である松永安左エ門が、自身が収集した古美術を公開するために自宅敷地内に建てたものです。松永安左エ門のことを知るキーワードは「電力」ですが、戦争・平和と電力、産業と電力、競争と電力と、電力インフラのあり方を考えさせられることになりました。現代においては、原子力発電事故のこと、電力需給ひっ迫のこと、再生可能エネルギーのことなどが問題となりますが、松永安左エ門であればどう解決しただろうかと考えさせられることになりました。
なお、松永記念館はもともと財団が運営していたものの、運営が苦しくなったため、小田原市に寄付等をして、今は小田原市が運営しています。小田原には有名な邸宅跡が多数ありますが、中には管理・運営ができなくなっているものがあります。こうした遺産を後世に残していくことが課題になりそうです。
また、三淵邸では司法サービス、古稀庵と皆春荘では水道インフラ、松永記念館では電力インフラについて考えさせられることになりました。先人たちの遺したものを、我々はよりよくして後世につないでいく必要があると感じました。
日本法育学会は、朝ドラで話題となっている日本初の女性弁護士・女性裁判所長である三淵嘉子について学習するために、令和6年(2024年)6月22日(土)に、明治大学博物館を見学しました。
明治大学博物館では、「虎に翼」展、「女性法曹養成機関のパイオニア」展の2つの特別展を行っていました。
「虎に翼」展は、主人公の家族関係や大学での友人関係、主人公に影響を与えた人たちなどが図に描かれていたりして、朝ドラを毎日見ている方が改めて楽しめる内容になっていました。また、朝ドラに出てくる大学の札や出演者の着た服、朝ドラの風景を模した展示などもあり、朝ドラを見ていない方や、法学部出身でない方でも、当時の大学の様子を想像できる展示になっていました。
「女性法曹養成機関のパイオニア」展は、明治大学法学部や女子部のこと、三淵嘉子のことについての展示がありました。見学会参加者の中には、三淵嘉子の論文の展示に関心を持った方もいました。
なお、三淵嘉子が教わった穂積重遠は、「家族法の父」と言われています。穂積重遠の父は、民法起草者の一人である穂積陳重です。三淵嘉子を知ることは、日本法制史の学習につながります。
さらに穂積重遠は、渋沢栄一の孫です。4月に日本銀行貨幣博物館を見学したばかりですが、点と点が思わぬところでつながったことに、見学会参加者は驚いたところです。
令和6年5月8日
弁護士 船山 泰範
幼いときに暖かい家庭を持ち得なかった者は、大人になったとき、ひたすらその飢えを充たそうとする傾向がある。只それは、自分が相手に求めるだけでなく、本来は2人で共に築いていくものなのである。しかしながら、彼はその方法を学んだことがない。父親から遊んでもらったことのない子が、自分が父親になったとき、どう子どもと遊んでよいのかわからないのも同類である。そのため、結婚当初は同じ目標を共有できると思っていた2人の間に様々な食い違いが生じてしまう。そして、その原因の大きな部分を自らが作っているのに本人は気付かない。
このような幸薄い者が、相手方の我慢できる一線を越える行為をしたとき、社会はそれを犯罪として処罰するのである。むろん、相手方の心の傷をはじめとして多方面の被害を考えるとき、今までそれが犯罪とされてこなかったことこそ理不尽と言うしかない。「法は家庭に入らず」という法格言は、子への虐待が浮上した時点で潰れたと言えるが、殺人事件の半数以上が家族とそれに類する者でなされるという事実は、人間とはいかなる存在なのかという問題を問いかける。
それにしても、子ども時代に暖かい家庭の味を味わえず疎外感に苛まれてきた者が、大人になって、今度は社会全体から刑罰によって排除されるということは、随分と割に合わないことではなかろうか。貧しい者が食べ物を万引きするという問題にも同じ矛盾が含まれている。
何のために自分は生まれてきたのだろうと声をあげたくなるのを、誰が非難できよう。
船山弁護士の報告書
日本法育学会は、令和6年(2024年)4月13日(土)に、日本銀行金融研究所貨幣博物館見学会を行いました。
貨幣の歴史を学ぶことにより、金融法や商取引法の理解につなげることが目的でしたが、実際には、それらにとどまらない学びをすることができました。
まず、金融法との関連では、おりしも日本銀行がゼロ金利政策解除を解除した直後でしたが、その政策決定が私たちの生活にどのような影響を及ぼすかを考えることができました。また、貨幣は人々の信用の下で成り立つものですが、間もなく発行される新紙幣に様々な偽造対策が盛り込まれていることや、過去の貨幣や藩札などにも様々な工夫がなされていたことなどを学ぶことができました。
つぎに、商取引法との関連では、かつてツケ払いが一般的であったところ、江戸時代に「げんきんかけねなし」という現在は一般的に行われている現金取引が始まったとする展示について、参加者からは、「クレジット取引はツケ払いだから、むしろ昔に戻っていないか」という話が出てきたりしました。また、手形や為替の展示に関連して、取引の電子化に伴い近いうちに有価証券が廃止されるという話題も参加者から出てきました。
見学会参加者の話題は、これら金融法や商取引法にとどまりませんでした。
1億円がどれぐらい重いのか体験した参加者は、10億円以上の損失を出した違法賭博事件について、「違法賭博での損失はどれだけ重いのか」という感想を述べていました。
また、多額のお金を使おうとした者がいた場合には通報しなければならないとする幕府からのお達しによって、蔵から盗んだお金を使おうとした盗人が捕まったという展示を見た参加者は、「現代の資金洗浄(マネーロンダリング)対策などにつながる話だ」という感想を述べていました。
貨幣博物館の展示は、一見すると法学との関連がないようにも思えますが、実際に見学してみて、貨幣・金融と法との関連を様々な視点から学ぶことができたのは、大きな成果であったといえます。
日本法育学会は、令和6年(2024年)3月19日(火)に、ポリスミュージアム(警察博物館)見学会を行いました。
ポリスミュージアムは、6階建てで、各階ごとにテーマがわかりやすく設定されており、また、展示内容は非常に充実したものになっていました。
パトカーなどの実物が展示されており、白バイとヘリコプターは乗ってみることができますので、幼児でも楽しむことができます。また、110番通報体験、犯罪捜査体験、交番体験、制服紹介、警察犬紹介など、小学校の児童や、中学・高校の生徒が楽しく学べるものがありました。そのほか、歴史展示は、大学生や研究者が、警視庁の歴史や事件の歴史などを詳しく知ることができるものになっていました。パンフレットも、各世代に合わせたものが用意されていました。
このようにポリスミュージアムは、各世代により違った学び方が出来ますが、加えて、日本橋と銀座との間の京橋と、非常に立地がよいこともありますので、近いうちに再度訪れて、より深く学びたいと思いました。
令和5年(2023年)12月9日(土)・10日(日)、第63回全国矯正展が行われましたが、日本法育学会では、12月10日(日)に全国矯正展見学会を行いました。
今回の全国矯正展は、東京国際フォーラムで行われました。会場が広いにもかかわらず、会場全体が見渡せるため、迷うことはないようです。また、会場の中央にステージが設けられて、度々催しが行われていたりしました。参加者の中には、網走監獄弁当や横浜刑務所パスタを昼食としていた者もいました。そのほか、法務省、警視庁、自衛隊の車両の展示があったりして、単なる刑務所作業品展示即売会にとどまらなず、いつまでも見ていることのできる矯正展になっていました。
法育との関連で興味深かった展示がいくつかありました。1つは、懲役刑と禁錮刑に代わって拘禁刑が創設されることに伴い刑務所でも準備が進められていることでした。つまり、拘禁刑の創設は、単に懲役刑と禁錮刑とが一本化されるだけでなく、刑務作業にとどまらない受刑者への幅広い対応が刑務所に求められるということです。
また、少年院100周年の展示で出院者のインタビュービデオが放映されていたことも、興味深い展示でした。インタビューされていた出院者は、入院前、自身が社会で必要とされていないと思っていたそうですが、少年院で自身の存在意義を教えられた結果、現在では出院者の支援をする仕事をしているとのことでした。
日本法育学会では、今後もこうした見学会などを通じて、社会を知る活動をしてまいります。
2023年3月18日(土)に、横浜税関見学会を行いました。
税関資料展示を通じ、税関の歴史、税関の仕事、横浜港、貿易、関税法、密輸問題などを勉強することが主な目的でしたが、当日は、税関庁舎の公開がされていましたので、先に税関庁舎を見学することにしました。
音楽隊の演奏を鑑賞したのち、貴賓室、マッカーサーも執務したという旧税関長室などを見学していきました。その途中で、普段は見ることのできない窓から「クイーンの塔」を見ることができました。
また、麻薬探知犬デモンストレーションを見ました。麻薬探知犬は、巻いたタオルを見つける訓練をしたのち、麻薬とタオルを箱に入れて訓練することで、麻薬の匂いを関連づけるようになるそうで、犬にとっては「遊んでもらえる」と思わせているそうです。
そして、今回の主目的である税関資料展示室を見学しました。
今年度は、税関150年という記念の年であることもあり、展示室は、歴史展示が強化されていました。特に、明治維新を研究する参加者は、開国、横浜港の開港、運上所から税関へといった展示や、江戸から明治にかけての条約や法令の展示に興味を示していました。今や有名な観光地である赤レンガ倉庫も、もとは保税倉庫だったのだそうです。
参加者が特に関心を持った展示は、偽ブランド品などの知的財産侵害品でした。本物と偽物が並べられた展示は、「どちらが本物か分からない」という声があがりました。「個人で使うのだからいい」わけではないのは当然ですが、偽物と気付かずに偽物を使っていた可能性があることに怖くなってしまった参加者もいました。
また、ワシントン条約にも関心が集まりました。参加者からは、「実家に鳥のはく製があるけど、よく調べて買わないといけない」という声もあがりました。
これまで、日本法育学会では、麻薬・覚せい剤事件や偽ブランド品販売事件の裁判傍聴をしたり、刑務所見学などを通じて麻薬・覚せい剤使用者の更生について学んだりしてきました。今回の税関見学で、国の出入口である港という、また別の側面からこれらの問題について見ることができたのは、大きな成果であったと思います。
2023年1月13日(金)に、千葉地裁にて裁判傍聴を行いました。理由は不明ですが、当日は、多くの裁判がありました。麻薬や覚せい剤の事件が多かったようですので、外国との往来が再び活発になった成田空港関連の事件が多いのでしょうか。それでも、コロナ禍が完全に明けたわけではありませんので、密を避けるため、参加者は各自興味のある裁判を傍聴することにしました。
ここでは、外国人技能実習生の窃盗事件について紹介します。事件自体は単純で、外国人技能実習生が、同じ国の同僚の技能実習生の財布を盗み、財布の中に入っていたキャッシュカードを使って、ATMで現金を引き出したというものです。
法廷通訳人を介して通訳がされながらの裁判でしたので、ゆっくりと、しかしわかりやすく裁判が進みました。被告人の技能実習生も、窃盗の事実自体を認めていましたので、新件の裁判でありながら、判決まで出ました。判決は執行猶予付きの懲役刑でした。
ある意味、外国社会をそのまま日本に持ち込んだ形の犯罪でしたので、「はたしてこれを日本で裁くことに意味があるのか」という疑問を持った参加者もいましたが、その一方で、「日本が外国人を技能実習生として受け入れているのだから、やはり日本が最後まで面倒を見るべきだ」という意見も参加者から出てきました。
以前にも外国人犯罪の裁判傍聴をしたことがありますが、たとえ事件自体が単純でも、その背景にある社会的な問題は深いことを実感させられました。
2022年10月28日(金)に、千葉地裁にて裁判傍聴を行いました。傍聴した事件は、高齢の被告人が、パチンコ店の喫煙所で起こした傷害事件でした。
事件は次のとおりです。被告人は客としてパチンコ店に入り、パチンコ店の喫煙所にある電源にパソコンをつなぎ、ワンセグテレビ番組を見ていました。ところが被告人は、喫煙所に入ってきた別の客がうるさく喋っていることに怒り、顔などを殴るなどして、その客に傷害を負わせました。
事件としては単純なもので、被告人も事実を認めており、証人尋問などもありませんでした。ただ、被告人には傷害の前科があり、執行猶予中でした。また、弁護人や検察官の「はい」か「いいえ」の返答を求める質問にまともに答えられず、あれやこれやの言い訳を繰り返すだけでした。
裁判傍聴後、参加者からは、「傷害事件の執行猶予中に起こした傷害事件だから、実刑判決が出るだろう」、「執行猶予にしたらまた同じことを起こすだろう」、「でも、高齢だから実刑にしていいのか」、「何らかの医療的な措置はとれないのか」などの意見が出ました。
今回の裁判傍聴を通じて、高齢化社会の問題の一端を垣間見ることができました。
2022年9月30日(金)に、千葉地裁にて裁判傍聴を行いました。傍聴事件は、覚せい剤事件、特定少年恐喝事件、出入国管理法違反事件、窃盗累犯事件の4件です。
どの事件も、成育環境や友人関係の問題が見え隠れし、家族が必死に被告人を支えようとしている姿が印象的でした。
何より驚いたのは、裁判長も検察官も被告人に対して、とても親身になって更生を促していることでした。特に、特定少年に対しては、裁判長が柔らかい言葉で丁寧に話かけることで、自分のこれまでの生活を反省する気持ちを引き出しました。累犯窃盗事件では、鬱病で窃盗を繰り返す娘を「見捨てない」と語ったやつれた母親と被告人に、検察官は身を乗り出して諭すように話しかけていました。
これまで見てきた法曹が優越的立場で追い詰めるような裁判とは全く違う「教育的裁判」でした。見ている私たちも、被告人の様子から、これなら再犯しないだろうと執行猶予の意義を強く感じました。
2022年8月3日(水)に東京地方裁判所で裁判傍聴をいたしました。参加者は、中学生・教員・弁護士等、総勢約40名です。コロナ禍でも幸い座席数制限がなく全員が希望した法廷に入ることができ、席から乗り出して真剣にメモを取る中学生の姿が印象的でした。
交通違反を繰り返し刑事裁判の法廷で裁かれることになった人、執行猶予中に万引きした人、アパートの上層階の生活音に耐えられず暴行してしまった人などが被告人で、傍聴終了後の確認会では、被告人の発言の矛盾に気づくだけでなく、なぜ被告人は罪を犯してしまったのか、自分がその立場だったらどうだろうかと被告人の状況を自己投影し、自らの行動を振り返っていました。
「百聞は一見に如かず」裁判を見ることで、他者を通した論理的思考ができたことがお土産です。
日本法育学会では、これまで、刑務所等でどのようなことが行われているかを知るために、刑務所見学会や矯正展見学会などを実施してまいりました。ところが、コロナ禍で残念ながら、全国矯正展をはじめとした矯正展(刑務所作業品展示即売会)がしばらく開催されませんでした。このところ感染状況が落ち着きを見せたため、3年ぶりに全国矯正展が開催されることになりましたので、刑務所等についての勉強をするべく、全国矯正展見学会を実施しました。
入場に事前登録を必要としたり、会計はレジコーナーでまとめてしたりする等、感染症対策のために例年とはだいぶ様子の異なる全国矯正展でした。それでも、3年ぶりの開催ということもあり、刑務所作業品審査会の製品には来場者の興味をひくものが多数展示されていました。また、「マル獄」などの定番人気製品のほか、各刑務所の新作製品にも安くて品質のよいものが沢山あり、参加された会員の中には、ついつい買いすぎてしまったという方もおりました。
刑務作業についての広報展示は、レジコーナーで会計を済ませたあとにありましたので、広報展示もゆっくり見ることができました。今回の全国矯正展のテーマは「社会に支えられ貢献する刑務作業~コロナ禍の中で~」ですが、コロナ禍で刑務作業の受注が激減した中、どのようにして刑務作業を社会に貢献していくべきかが課題になったそうです。そんな中、医療機関で医療用ガウンなどが不足していることから、全国の刑務所で医療用ガウンを縫製したとのことです。そして、医療関係者から感謝・激励されたことが、受刑者の社会復帰へのやりがいにつながったということだそうです。この広報展示をゆっくり見ることができたのは、今回の全国矯正展見学会の成果といえます。
なお、全国矯正展からの帰りの九段坂で、「そういえば、全国矯正展には何度か来ても、科学技術館自体見たことがない」などという話題になりました。全国矯正展の会場である科学技術館の周りには、様々な博物館等があります。そこで、一部の会員の方で、九段坂にある昭和館にも入ってみることにしました。ウクライナ問題などのこともあり、戦争と平和について考えさせられます。日本法育学会でも、こうした博物館等の見学会を設けるなどして、改めて平和のこと、歴史のことを考える機会をつくりたいと思います。
新型コロナウイルスの変異株であるオミクロン株が猛威をふるったため、再び研究会ができなくなりましたが、感染状況が落ち着いてきましたので、活動を再開しました。
今回は、千葉地方裁判所で裁判傍聴をしました。当日は、裁判員裁判のほか、覚せい剤使用事件、道路交通法違反事件、迷惑防止条例違反事件など、さまざまな裁判がありましたので、参加者が各自興味のある裁判の傍聴をして、密を避けました。
ここでは、迷惑防止条例違反事件について紹介します。被告人は、運動公園の女子トイレに繰り返し侵入し、携帯電話で盗撮をしたため、建造物侵入と迷惑防止条例違反に問われました。被告人は、それらを認めています。
被告人によれば、動機は、「高校時代に未練があった」とか、「風景を見るように、かわいい女子を見ていたい」といったことのようです。ただ、それだけであれば、女子を運動公園で眺めているだけで十分であり、盗撮する必要はないはずです。
裁判で明らかになったこととして、被告人は、広汎性発達障害や注意欠如多動症(ADHD)という精神疾患を抱えており、それが盗撮という行動に結びついているようです。そして、被告人は現在、治療を受けるとともに、いくつかの障害者支援を受けているようです。
薬物使用や常習窃盗などが精神疾患と関連していることはよく知られていますが、盗撮などと精神疾患とが関連することがあることを知ることができたのは、裁判傍聴をした成果といえます。
コロナ禍で研究会ができずにいましたが、感染症対策をとりながら活動を再開することとしました。
まずは、千葉地方裁判所で裁判傍聴をしました。道路交通法違反事件、迷惑防止条例違反事件、商標法違反事件と、参加者が各自興味のある裁判の傍聴をすることで、密を避けることにしました。
ここでは、商標法違反事件について紹介します。外国人である被告人は、日本人の名前を名乗り、東京都内の貸倉庫で、偽ブランド腕時計のネット通信販売の準備をしていたという事件です。事件としては単純で、被告人も罪を認めていましたが、偽ブランド腕時計だけでなく偽ブランドかばんも販売準備をしていたため、後日訴因変更をして裁判が行われることになりました。
なお、日本語が話せない被告人のために、法廷通訳人が通訳をしていましたが、何度か裁判傍聴をしたことがある方でも、実際に法廷通訳人の活躍を見るのは初めてだということだそうです。
コロナ前の日本は、外国人留学生や技能実習生を増やしてきました。現在コロナ禍で外国人の入国が制限されていますが、その一方で、被告人のように、入国してから年数を経ているのに、日本社会に馴染めず犯罪に手を染める外国人がいることも事実です。外国人をどのように受け入れていくかは、コロナ前から続く日本の課題であるといえるでしょう。
2020年2月12日(火)府中刑務所を参観しました。
まずスライドを使って府中刑務所の歴史や特徴や犯罪状況などについてレクチャーを受けました。続いて、受刑者居住地内へ。規律遵守やトラブル回避のために考えられたしくみができていました。中でも印象的だったのが、年齢、国籍、文化や宗教などに配慮した処遇がなされていたこと。はじめは驚きましたが、様々な事例や可能性について説明を受け、そのような処遇の必要性と重要性を感じました。
そして担当刑務官の方のお話や態度からは、厳しさだけでなく受刑者を見守る温かさを感じました。
過ちて改めざる是を過ちという。
更生を願うばかりです。
中央学院大学大久保ゼミナールとの共催で、千葉地方裁判所で裁判傍聴をしました。
事件は、大学生である被告人が、ネットカフェで他の客の物を盗んだというものでした。これだけであれば、よくある窃盗事件ですが、盗んだ物が現金だけなのか、それとも、カバンやクレジットカードなども盗んだのかという点が争点となりました。
裁判傍聴後、以下のような意見がゼミ生から出てきて、ゼミ生と同世代の被告人の事件を考えさせられました。
・被告人・弁護人の言っていることは正しいのか。
・他の物は盗んでいないということを証明するのは難しいのではないか。
・仮に、盗んだ物が現金だけということが証明できれば、刑が軽くなる可能性がある。
・音楽やゲームアプリを買うことを考えると、現金よりもむしろクレジットカードを狙ったのではないか。
・そもそも大学生がなぜ盗みをしたのか。
・友人はいないのか。ゼミやサークルには入っているのか。
・今後、大学にいることができるのだろうか。
国会・憲政記念館見学会を行いました。
まずは、衆議院を見学しました。見学時は国会が閉会中であり、また、他の団体の見学と被らなかったため、丁寧な案内をいただきました。衆議院と参議院との本会議場の違いや、中央広間の3つの銅像と空の台座の意味、天皇の御休所の装飾のこと、大きな本会議場でも演説(だけでなくヤジ)がよく聞こえる仕組み、ほぼ国産材料で造られた議事堂に使用されている数少ない外国産材料のことなど、国会中継を見ただけではわからないことがよくわかりました。
続いて、憲政記念館を見学しました。歴代の国会議事堂のこと、尾崎行雄をはじめとした憲政にかかわる人々のことなどの展示があり、私たちが学んだ日本の歴史を少し違った観点から見ることができました。特に、見学会時は「尾崎行雄没後65年」の特別展をしており、有名な桂太郎弾劾演説の絵などの展示もありました。憲政記念館は、間もなく新しい施設に移転するとのことです。新施設完成の折には、再び訪れることができればと考えております。
埼玉大の2年生、3年生の学生を法育学会が指導して、「西町駅ホーム転落死事件」の模擬裁判員裁判を実施しました。
当日は、さいたま地方裁判所の裁判官が裁判長役を務め、学生たちは、論理的根拠を示して、明確に自分の意見を述べていました。裁判官は、とてもソフトな雰囲気の方で、法律的な説明もわかりやすく、公平に意見を聞き、意見を整理して下さるので、脚本のない評議の場面も、スムーズに進みました。
評決は、正当防衛が認められて無罪。終了後の学生たちの、達成感に満ちた表情が印象的でした。
質疑では、模擬裁判の内容についてだけでなく、裁判員裁判の辞退者が増えている理由を詳細に分析すべき、対象事件の変更が必要ではないか、感情面をどのようにコントロールすればよいのかなど、貴重なご意見をいただきました。
司法の民主化のために、70年の歴史がある検察審査会制度に遅れて、10年前に始まった裁判員制度は、まだ歩き始めたばかりです。裁判所は、市民感覚に寄り添うために様々な努力をされていますが、市民の関心が薄れないようにその理念と目的をより明確に広報すべきでしょう。そして市民は、論理的に考えた意見を遠慮せず明確に伝える訓練を重ねる必要があります。それは、一朝一夕では身につきません。幼い頃から繰り返し経験することが重要です。さあ、家庭から議論の練習を始めましょう。
なお、当日の様子の写真は、読売新聞埼玉版に掲載されています。
中央学院大学大久保ゼミナール2年生たちに対し日本法育学会が演技指導をして、中央学院大学あびこ祭で「西町駅ホーム転落死事件」の模擬裁判員裁判を行いました。
当日は、日本法育学会会員の皆さまや大久保ゼミナール4年生も役に就き、また、傍聴席から裁判員役を選出して、模擬裁判員裁判を行いました。前日までの練習では、検察官役や弁護人役、証人役などをうまく演ずることのできなかったゼミ生でしたが、模擬裁判員裁判本番では見違えるほどの成長を見せました。
評議では、法律について全くの素人である一般の方や、法学を勉強し始めたばかりの1年生を含め、活発な議論がなされました。その結果、被告人の行為は傷害致死罪ではなく暴行罪の構成要件に該当するとしながらも、正当防衛が成立するとして、被告人は無罪となりました。
中央学院大学には立派な模擬法廷があり、元法学部長の齊藤信宰先生を中心にあびこ祭などで模擬裁判をしてきましたが、ここ数年、あびこ祭などで模擬裁判ができずにいました。今回の模擬裁判員裁判が、法育の広がりにつながればと願っております。
千代田区立麴町中学校3年生の指導は今年で11年目になります。火曜日と木曜日の放課後の1時間を使って、話し合い・練習を5回行い、9月27日の午後1時から、2、3年生の生徒と保護者の皆様に公開致しました。今回の模擬裁判員裁判で最も伸ばしたかった力は、「主体的思考力」です。用意したシナリオは公判の部分だけで、質問事項や評議の場面については、全て自分たちで考えています。また、昨年まで、先生方が準備し、動かしていた「パワーポイント」や「照明」、「マイク」なども、全て生徒たちが運営しました。
今年の模擬裁判員裁判『ハンマー殺人未遂事件』は、2017年に品川であった事件を日本法育学会理事長の平野が全て傍聴してシナリオを作成しました。争点は、責任能力と殺意です。凶器、頭蓋骨模型などを用意し書画カメラで映しながら証人らが動作すること、検察官・弁護人・被告人の主張を要約した内容などを大型スクリーンに映すなど、傍聴者が視覚的に理解しやすい工夫をしました。
生徒たちは、初めての体験で最初は戸惑いもありましたが、より良い方法を次々と提案してきて、積極的に改善していきました。自主的に練習を重ねたり、発言方法を工夫したりして、日増しに成長していく姿に目を見張りました。彼ら人生の糧にしてくれることを期待します。
中央学院大学大久保ゼミナールと共催で東京拘置所矯正展見学会を行いました。
矯正展は、刑務所作業品の展示即売会ですが、東京拘置所矯正展は地域密着の矯正展であり、また、公務員志望の学生たちが中心の見学会でしたので、刑務官などのほか、警察官、消防官、自衛官などの職業体験を中心に見学をしました。学生たちの中には、これをきっかけに、今後のインターンシップやイベント参加の予約を入れた者もいるようです。
中央学院大学法制研究室との共催で、千葉地方裁判所にて裁判傍聴を行いました。
千葉地方裁判所は、管轄内に成田空港があり、覚せい剤や薬物の事件が多いという特徴があります。傍聴した裁判は、覚せい剤使用事件の証人尋問手続きで、「ダルク」の職員が証人尋問に応じていました。
裁判傍聴後、船山泰範弁護士による解説がありました。「ダルク」が薬物依存から立ち直るための施設であることや、有罪・無罪だけでなく執行猶予判決を得ることもまた弁護人の役割であることなどの説明がされました。
なお、傍聴できなかった学生もいましたが、その学生たちば、後日改めて千葉地方裁判所で不法入国・就労事件の裁判を傍聴し、起訴から判決まで一連の裁判の流れを見ました。千葉地方裁判所で不法入国事件が多いもまた、裁判管轄内に成田空港があるためです。法廷通訳という仕事があること、各国間の経済格差が不法就労問題を引き起こしていること、ブローカーにだまされてしまった被告人に対して何ができるか等、いろいろ考えさせられるものがありました。
東京地方裁判所にて、他団体や学生・生徒の皆さんと、累犯窃盗事件の裁判傍聴を行いました。
今回の事件は、被告人は、所持金が500円もないのに、スーパーで1,000円ちょっとの食品類を盗んだというもので、事件自体は小さなものでした。しかし、被告人は、小学生時代のいじめが原因で精神病となったのをきっかけに、50代の現在まで窃盗を繰り返し前科9犯となりました。
このように、病的に窃盗を繰り返す者に対して、社会はどのようなことができるかを考えさせられる事件でした。特に、学生・生徒の皆さんにとって、いじめによる孤独がもたらす結果の一つや、犯罪者の福祉的更生を考えるいい機会だったのではないかと思われます。
なお、裁判傍聴後、船山泰範弁護士による解説が行われましたが、船山弁護士によれば、「弁護人は被告人の心神喪失・心神耗弱を主張することもできたのではないか」とのことでした。
足立区立第四中学校(夜間中学)を参観しました。
日本大学文理学部教育学科の学生・大学院生も参加し、次のようなたくさんの驚きと発見がありました。
1 生徒の80%が外国人であること
2 日本語教育に重点が置かれていること
3 生涯学習として、中学未就学者だけでなく幅広い年代の方が学んでいること
4 とても学習意欲が高いこと
5 習熟度別少人数クラスで、きめ細やかな指導がされていること
校長先生や副校長先生から、たいへんご丁寧にご説明いただき、授業参観もさせていただいたので、その素晴らしさを肌で感じることができました。
参観した大学院生からは、「地域性があるのではないか」という感想もあり、今後もいくつかの夜間中学校を参観していこうと思います。
中央学院大学大久保ゼミナールとの共催で裁判傍聴をしました。
邸宅侵入・窃盗事件の継続審理事件を傍聴しましたが、追起訴から結審まで、ほぼ一連の刑事事件の流れを見ることができました。
被告人は、学生たちと同世代ですが、父親の下で働いていたところ、仕事に耐えられなくなって父親の下を飛び出したため、住むところもお金もなく、家に侵入して物を盗んでしまいました。被告人には複雑な家庭の事情があったようですが、それでもなお、「同世代の被告人がなぜ犯罪をしてしまったのか」、「犯罪をしなくて済む方法は本当になかったのか」と、学生たちに問いかけるものがあったようです。
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