日本法育学会は、模擬裁判員裁判を中心としたアクティブ・ラーニング、社会を知る学習としての裁判傍聴、施設参観、知識を深めるための学習会、講演会などの教育活動を行っています。
活動報告topics
「ストーカー裁判」を通して考える
令和6年5月8日
弁護士 船山 泰範
幼いときに暖かい家庭を持ち得なかった者は、大人になったとき、ひたすらその飢えを充たそうとする傾向がある。只それは、自分が相手に求めるだけでなく、本来は2人で共に築いていくものなのである。しかしながら、彼はその方法を学んだことがない。父親から遊んでもらったことのない子が、自分が父親になったとき、どう子どもと遊んでよいのかわからないのも同類である。そのため、結婚当初は同じ目標を共有できると思っていた2人の間に様々な食い違いが生じてしまう。そして、その原因の大きな部分を自らが作っているのに本人は気付かない。
このような幸薄い者が、相手方の我慢できる一線を越える行為をしたとき、社会はそれを犯罪として処罰するのである。むろん、相手方の心の傷をはじめとして多方面の被害を考えるとき、今までそれが犯罪とされてこなかったことこそ理不尽と言うしかない。「法は家庭に入らず」という法格言は、子への虐待が浮上した時点で潰れたと言えるが、殺人事件の半数以上が家族とそれに類する者でなされるという事実は、人間とはいかなる存在なのかという問題を問いかける。
それにしても、子ども時代に暖かい家庭の味を味わえず疎外感に苛まれてきた者が、大人になって、今度は社会全体から刑罰によって排除されるということは、随分と割に合わないことではなかろうか。貧しい者が食べ物を万引きするという問題にも同じ矛盾が含まれている。
何のために自分は生まれてきたのだろうと声をあげたくなるのを、誰が非難できよう。
船山弁護士の報告書
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新着情報news
- 2024年6月3日
- 社会を知る学習会(明治大学博物館見学会、三淵邸(甘柑荘)見学会)の予定(2024年6月22日(土)、6月23日(日))を追加しました。
- 2024年5月28日
- 2024年5月8日(水)の社会を知る学習会(裁判傍聴)についての船山弁護士からの報告書を掲載しました。
- 2024年4月25日
- 社会を知る学習会(裁判傍聴)の予定(2024年5月8日(水))を追加しました。
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- 活動報告を更新しました。
- 2024年4月5日
- 社会を知る学習会(日本銀行貨幣博物館見学会)の予定(2024年4月13日(土))を追加しました。
- 2024年3月31日
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- 2024年3月2日
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- 2024年2月4日
- 社会を知る学習会(裁判傍聴)(2024年2月5日(月))は、警報級大雪の予報が出ておりますため、中止とさせていただきます。直前の急な中止となりましたことをお詫び申し上げます。
- 2024年1月29日
- 社会を知る学習会(裁判傍聴)の予定(2024年2月5日(月))を追加しました。
- 2024年1月21日
- 理事長からのお知らせを更新しました。
過去のお知らせ
先日、旧門司税関を見学いたしました。
常に外国から人が行き来していた福岡県、山口県。日本人が知らない精緻な武器や薬物、高度な文化に脅威を感じつつ取り入れて、国を変革した若き獅子たちが闊歩する姿が目に浮かびます。
自由貿易を推進するも違法薬物などの侵入を防いだ税関の役割は大きいでしょう。
関門海峡では、今も大砲が日本海を睨んでいます。
令和6年1月21日
日本法育学会
理事長 平野 節子
これまでの理事長からのお知らせ