日本法育学会は、模擬裁判員裁判を中心としたアクティブ・ラーニング、社会を知る学習としての裁判傍聴、施設参観、知識を深めるための学習会、講演会などの教育活動を行っています。
活動報告report
理事長からのお知らせtopics
水俣病の加害者と被害者
令和6年10月14日、日本法育学会と鹿児島大学、志學館大学の合同研究大会が鹿児島の志學館大学にて行われました。その前日、水俣病の現地研修を行いました。そこで学んだことの一端をお知らせしたいと思います。
1,水俣病発生の地
水俣病により多くの人々が苦しむ地は、熊本県の最南部で、八代海(不知火海)に面した漁業を主な産業とする地域です。地引網や巾着網、打瀬網などの漁法でイワシを中心に漁を営む人々や海水から塩を生産して生計を立ててきた人々が住んでいます。八代海は漁業資源がとても豊富で、地域の人はほぼ毎日、魚介類を食べて暮らしていました。
ところが、1954年のある日から、地域の猫が踊っていたかと思うとバタバタと死んでいくのです。そのうち、水俣の人々にも全身の痙攣がはじまり、指先の感覚が鈍くなり熱いものを触ってもわからない、匂いがわからない、目がよく見えない、まっすぐ歩けないなどの症状が現れ始めました。1956年にチッソ附属病院の細川一医師が「今までに見たことがない患者」として水俣保健所に届出をしたことで、調査が始まりました。
「奇病」だ「伝染病」だと恐れられ差別され、当時は、うつる病、遺伝する病と思われたために、結婚の機会も奪われました。被害者は、健康が奪われただけでなく、社会的・経済的にも追いつめられていきました。
・・・続きは、理事長からのお知らせをご覧ください。
日本法育学会のめざすもの
上記画像をクリックすると、理事長の音声つき「日本法育学会のめざすもの」のパワーポイントが開きます。
(2024年11月9日(土)収録)
これまでの理事長からのお知らせ
日本法育学会からのお知らせtopics
研究会 社会を知る学習会 宮城刑務所参観
参観日時:令和7年(2025年)3月4日(火) 午後 (予定)
集合日時・集合場所等、詳細が決まりましたらお知らせします。
【注意事項】
・危険物(刃物等)の持ち込みはできません。
・できるだけきちんとした服装で来てください。
・女性は肌の露出が少ない服装で、華美なアクセサリーは避けてください。
なお、刑務所に名簿を提出いたします。
参観を希望される方は、令和7年(2025年)2月10日(月)までに、メールまたはお問い合わせフォームにて、日本法育学会事務局宛に、「住所、氏名、電話番号、所属」をお送りください。
年会費のお願い
まだ年会費をお支払いいただいていない会員の皆様は、年会費をお支払いください。年会費の振込方法等、詳細は、入会・継続のご案内をご覧ください。
新着情報news
- 2025年1月21日
- 活動報告を更新しました。
- 2025年1月16日
- 名誉理事で日本大学名誉教授の押田茂實先生の講演会の予定(2025年1月18日(土))を追加しました。
- 2025年1月6日
- 社会を知る学習会(宮城刑務所参観)(2025年3月4日(火))の参加受付を開始しました。
- 2024年12月31日
- 社会を知る学習会(裁判傍聴)の予定(2025年1月17日(金))を追加しました。
- 2024年12月3日
- ・活動報告を更新しました。
・社会を知る学習会(裁判傍聴)の予定(2024年12月16日(月))を追加しました。
- 2024年11月28日
- 理事長からのお知らせを更新しました。
- 2024年11月24日
- 活動報告を更新しました。
- 2024年11月16日
- 理事長の音声つき「日本法育学会のめざすもの」のパワーポイントを掲載しました。
- 2024年11月10日
- 社会を知る学習会(全国矯正展見学会)の予定(2024年11月23日(土))を追加しました。
- 2024年10月27日
- 秋の特別講演会(2024年11月30日(土))のポスターを追加しました。
- 2024年10月26日
- 活動報告を更新しました。
- 2024年10月25日
- 理事長からの第7回全国研究大会のご報告を掲載しました。
- 2024年10月10日
- 社会を知る学習会(裁判傍聴)の予定(2024年10月25日(金))、秋の特別講演会の予定(2024年11月30日(土))を追加しました。
- 2024年9月22日
- 活動報告を更新しました。
- 2024年9月20日
- 日本法育学会第7回全国研究大会のプログラムとポスターを掲載しました。
- 2024年9月14日
- 学会紹介のページを更新しました。
- 2024年9月6日
- 社会を知る学習会(裁判傍聴)の予定(2024年9月18日(水))を追加しました。
過去のお知らせ
当日は、道路交通法違反事件や詐欺事件など、いくつかの裁判がありましたが、参加者は分かれて裁判を傍聴することにしました。ここでは、道路交通法違反事件の裁判について報告します。
被告人は、自衛官をしたのち、両親が営む会社の会社員として働いていました。なお、会社の業務を行うには自動車があると便利ではあるものの、既に亡くなった父親も、被告人も、ふだんは業務として自動車を運転してはおらず、日常生活で自動車が必要とまではいえないそうです。
また、被告人は、外出先でお酒を飲むことはほとんどなく、家で寝るために晩酌としてお酒を飲む生活をしていたそうです。ただ、日本酒を飲むと美味しくて、ついつい飲み過ぎて、記憶がなくなることがあるようです。
そんな被告人が、都心での飲み会に出席することになりました。そこで、被告人は、ある日の夕方、自動車を運転して、都心直通の鉄道駅前の駐車場に自動車を停め、鉄道で都心に行きました。そのときは自動車は翌日とりに行くつもりだったようです。
ところが、被告人は、飲み会でどれほど飲んだか分からない程飲み過ぎたのに、深夜に駐車場から自動車を運転し、自宅とは別の方角に向かい、対向車線に飛び出したりしながら運転し、しまいにはガードレールにぶつかる自損事故を起こしてしまいました。
事故の瞬間とふらつく被告人を見た人が通報し、被告人は逮捕・起訴されました。検察も弁護人も事実関係は争っていません。
弁護側の証人として、被告人の実母が証言していました。証人は、被告人がこれまで真面目に働いてきたこと、そして、今後被告人を証人が面倒をみることを証言していました。
被告人は、もう自動車を運転しないこと、そして、外出先でお酒は飲まないことを誓っていました。仕事の取引先にもそのことを伝えておくことも約束していましたし、自動車の運転をしないことや外出先で飲酒しないことで困ることはないとも言っていました。
検察官の求刑は懲役10か月で、弁護人は罰金または猶予を求めていました。事実関係の争いがないため、すぐに懲役10か月執行猶予3年の判決が出ました。
近時、「スロードリンク」「ドリンク・スマート」「スマートドリンキング」など、アルコールとの付き合い方が見直されています。また、自動車中心の社会から、コンパクトシティなど、公共交通機関を活かした政策が掲げられています。今回の事故はたまたま被害者がいなかったからまだよかったのですが、社会の在り方を考えさせられる裁判でした。
これまでの活動報告