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          The Legal Mind Education Of Japan

日本法育学会profile


自立した市民の育成

 日本法育学会は、「自立した市民の育成」を大きな目標として、模擬裁判員裁判の指導、裁判傍聴引率と解説、更生施設参観、講演会、研究会など様々な教育活動を行っております。法育研究会の時代を含めると、その活動は今年で25年になります。話題の千代田区立麴町中学校の模擬裁判員裁判指導は、その教育的価値を認められ、10年間継続しており、既に3年生の学校行事となっています。
 自立した市民には、「論理的思考力」「公平・公正な判断力」が求められます。それは、グローバル社会において最も重要な力の一つです。前提として、社会事象を多角的・批判的に見つめる見識が必要ですが、それは資質能力というよりも訓練によって誰もが身に付けられるものと考えています。議論をする機会を用意すれば良いのです。これまでの経験から見てみると、たった数回の指導で、子どもたちは学習や生活に意欲的になり、社会問題解決のために動き出すことが多いことからも察することができます。
 近代社会になっても、日本人は予定調和を好み、強い同調圧力が蔓延る社会で生きているので、議論することを「争い」のように捉え、議論後の気持ちの切り替えが苦手です。それは単に議論することに慣れていないだけであって、議論場面や機会が増えることにより、表現の自由の価値を実感できると思います。大人の意識変革も必要でしょう。裁判という特別な場を設定することで、現実事象を現実から切り離して考えられ、裁判員という裁判を運営する立場で法律を学習しつつ、他者意識を有しながら老若男女が自由に主体的意見を述べられる機会を提供するのが模擬裁判員裁判です。
 令和元年の研究大会では、司法への市民参加のもう一つの場である「模擬検察審査会」に挑戦しました。これほど実際に近い形での実践は、おそらく日本初ではないでしょうか。裁判員裁判と検察審査会は車の両輪に例えられます。しかし、発足以来60万人以上が検察審査会に参加しているにも拘わらず、その「非公開性」と「司法による価値の軽視」により、一般人は無知のままです。模擬裁判員裁判が、裁判員として裁判に参加するための知識獲得と主体的議論の練習となっているように、模擬検察審査会も同様の効果が期待されます。
 2019年は、裁判員裁判が開始されて10年、検察審査会に法的拘束力が付与されてから10年という節目の年です。そこで、三井誠先生に検察審査会の歴史とその価値についてご講演いただき、模擬検察審査会を全公開方式で実施しました。午後のシンポジウムでは、元裁判官、元検察官、弁護士、研究者の先生方に、検察審査会の現状と今後について議論していただきました。終了後、多くの方々からの、「この素晴らしい制度を広め、活性化すべき」との声が印象的でした。
 当日の様子を含め三井先生のご講演、検察審査会制度と裁判員制度の相違等は、『日本法育研究第4号』に掲載されています。
 令和2年(2020年)の研究大会は、「虐待を防ぐために」と題しまして、戒能民江先生の基調講演をはじめ実践家のシンポジウムを予定しておりましたが、COVID-19の感染拡大により中止とさせていただきました。今年も、対面形式での大会開催は難しいかも知れませんが、実行方法を工夫し実施したいと考えております。これからも日本法育学会は、研究と実践を進めて参ります。

 皆様、ご指導ご鞭撻のほど、どうぞよろしくお願い申し上げます。

                                        日本法育学会
                                        理事長  平野 節子


理事長挨拶

活動報告写真  日本法育学会は、1990年から主権者教育の一環として、「主体的・論理的に考える力」の育成を目指して、児童・生徒・学生、そして地域の皆さまを対象とした裁判員裁判方式の模擬裁判、模擬評議、解説付き裁判傍聴、更生施設参観、講演会などを日本各地で実施しています。
 模擬裁判は、「裁判」という特別な場を設定し、実際の事件などに基づいて作成した脚本を元に、参加者が裁判員や法曹、被告人、証人などを演じることで、社会理解力や他者理解力を向上させます。裁判員裁判は、刑事裁判のみで行われるので、証拠(Evidence)に基づいて真実を追求する過程で、事実(Fact)と意見(Opinion)を分けて考えることが最も重要です。これは、「時系列に沿って事実を整理し、想像力を働かせてその背景を考え、自分なりの意見を持つ」という思考方法の訓練になります。特に、法育における評議・討議(Deliberation)には脚本はなく、公判を基にした即興的思考(Improvisation thinking)が必要となります。特定の情報と規範から素早く思考の構造化をはかり、説得力のある話し方を工夫することで、思考力の基礎を拡張します。
 それぞれの発達段階で生涯にわたって模擬裁判や模擬評議などを繰り返し体験することは、その力をより伸長させることでしょう。
 また、協働して模擬裁判をつくり、やり遂げることは、考え抜き、努力し続けること(Grit)の大切さを学び、達成感を生みます。そして、自律的に判断する力を養うだけでなく、多様な価値観を認め合い、コミュニケーション力を向上させます。「模擬裁判を体験してから、いろいろなことに意欲的になった」という保護者からのお手紙を頂くことは、何よりも嬉しいことです。
 加えて、法育学会の模擬裁判は、裁判員裁判の手順に沿っていますので、良識ある裁判員の育成の一翼を担っています。裁判員に選出されたときに、自信を持って適切な意見を述べ、正しい判断をするためにも、法育は大きな役割を果たしたいと考えています。
 最後に、裁判傍聴や更生施設の参観は、犯罪抑止力となるばかりでなく、社会知を高め人間について多角的に考えてほしいという思いから実施しています。法律や裁判についての知識を身に付けることは大切ですが、それ以上に、グローバル社会で主体的に生きる力を養うことこそが法育の目的なのです。

                                        日本法育学会
                                        理事長  平野 節子


役員紹介

敬称略、50音順(平成30年4月1日現在)
役職 役員名
顧問 小川 哲生 明星学苑副理事長
名誉理事 木谷 明 弁護士、元東京高等裁判所判事
名誉理事 押田 茂實 日本大学名誉教授
名誉理事 三井 誠 神戸大学名誉教授
理事長 平野 節子 日本大学薬学部講師
理事 上野 幸彦 日本大学危機管理学部准教授
理事 紺野 秀樹 日本大学第二学園監事
理事 齋藤 康輝 日本大学法学部教授
理事 澤田 康広 日本大学法学部教授
理事 清水 洋雄 日本大学法科大学院教授
理事 杉山 和之 志學館大学法学部准教授
理事 関 正晴 専修大学法学部教授
理事 中村 雄一 東北学院大学法科大学院教授
理事 長瀬 二三男 志學館大学法学部元教授
理事 野村 和彦 日本大学法学部准教授
理事 林 和彦 日本大学法学部元教授
理事 原田 久直 日本大学非常勤講師
理事 船山 泰範 日本大学法学部講師、弁護士
理事 古川 元晴 弁護士、内閣法制局元参事官、京都地検元検事正
監事 鈴木 行広 社会保険労務士

事務局

〒270-1196 千葉県我孫子市久寺家451 中央学院大学法学部 大久保輝研究室内
MAIL info@nihon-houiku.jp
役職 名前
運営 原田 久直 日本大学非常勤講師
連絡 大久保 輝 中央学院大学法学部准教授
会計 窪田 英朗 日本大学大学院
監査 鈴木 行広 社会保険労務士

教育研究会


役職 名前
教育部長 平野 節子
研究部長 船山 泰範
出版部長 杉山 和之


ロゴ

「日本法育学会」および「法育」の言葉(文字)、図は、日本法育学会の登録商標です。

      (商標登録 第5781944号)

日本法育学会


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加入者名 日本法育学会